ファンタジー・海外

Stephen Woodworth
スティーブン・ウッドワース

ホラーです。ダークファンタジーと言えなくもないですが。

「ヴァイオレット・アイ」
スティーブン・ウッドワース著 風間賢二訳 SB文庫 2006
"Through Violet Eyes" Stephen Woodworth, 2004

紫の瞳を持つ人間は、死者の魂を呼び寄せ、交流することができる。かつてその能力ゆえにあがめられ、時には忌避され、迫害された彼らは、今は「ヴァイオレット」と呼ばれ、司法当局の協力者として生きることを余儀なくされていた。裁きの場に立つ彼らは、被害者の霊を呼び出し、真実を語らせ、犯人に最後通牒をつきつけるのだ。しかし、彼らを狙う連続殺人が発生し、その手口は凄惨を極めた。FBI捜査官のダンは、被害者たちの友人でもあったヴァイオレットのナタリーとともに犯人を追うが……。

ええと、これはホラーなのかな。多分そうでしょう。別に怖くはないですが(笑)。でも、殺され方は結構血みどろなので、そちらが駄目な方にはおすすめできません。ご注意ください。

紫の瞳は魔性の瞳だという設定は、ファンタジーその他でよく見かけますが、これは現実にそういう人々がいて、その能力が広く認知されているという設定の、後はサスペンスな現代物。霊能者が謎解きをするミステリーは結構あるのですが、組織として存在してるっていうのは珍しいかなと思いました。でもって、色んな意味で陰惨。存在を、力を認められてはいても、その特殊性と希少性から、ヴァイオレット達は一般人から隔離され、その力を搾取される存在として描かれます。畏怖されるべき力を持ちながら、あくまでも陰の存在として生きるしかないヴァイオレット。読んでいて痛々しいです。

という感じですが、ノンストップで読まされてしまうような、スピード感と勢いのある本でした。シリーズ化されているようですが、確かにシリーズで読む方が面白そうです。ヴァイオレット達、もう少し幸せに生きられるようになってくれるといいんですが。

死者と語ることができるとしたら、何を話したいと願うでしょう。
誰と語りたいと思うでしょう。
考えてみましたが、私はそんな願いを持ってはいないみたいです。
2006.03.25



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