ファンタジー・海外

Garth Nix
ガース・ニクス

オーストラリアの作家さんで、最近の注目株の1人らしいです。「古王国記」と「セブンス・タワー」の2つのシリーズが現在翻訳刊行中。ちょーっと文章が堅めでフラットなのが気になりますが、設定や内容は凝っていて面白いです。

"Sabriel"
「サブリエル−冥界の扉」(古王国記1)
原田勝訳 主婦の友社 2002

「ハードカバーは嫌だからPBで読もう(笑)」の第1弾。

18歳の少女サブリエルが寮生活を送るアンセルスティエールの外には「古王国」とこの世界とを分ける「壁」が存在した。アンセルスティエールは普通の人々が普通に生きる人間達の国。けれど、「古王国」は魔法の国、死者の世界とつながる国なのだ。実は、彼女の父はその古王国の中でも特別の存在、死者達を従え、冥界に戻す力のある魔術師(=ネクロマンサー)だった。

卒業を控え、父と将来のことを相談すべくその日を待っていたサブリエルのもとに、ある日訪れた使者。それは、敵に捕らえられ、力を封じられた父親からのメッセージを携えていた。

休暇のたびに父からネクロマンサーとしての教育を受け、「死者の書」を学び終えていたとはいえ、「古王国」の外で、王国の内情を知らずに育ったサブリエルは、何もわからないままに、父を救い出すため、苦難に満ちた旅に出るが………。

サブリエル、かっこいいです。
女子校で人気の出るタイプ(笑)。ということで、とても楽しく読めました。知的で、大体において冷静な、きちんと自分と、自分の置かれた立場を理解できる女の子。優等生的ではあるけれど、私はこういうヒロインの方が読みやすいし、好きですねー。内容も、骨太なファンタジーで、正当派冒険ものでもあるかな。大小様々なベルの音で死者を鎮めるネクロマンサーのイメージがとても印象的。それに、「猫」がいいです。とっても好き(爆)。いいなあ。

 "Lirael"
「ライラエル−氷の迷宮」(古王国記2)
原田勝訳 主婦の友社 2003

 第2部からはヒロインはサブリエルじゃないんですー。悲しい。第2部のヒロインはClayr(何て訳されてるんでしょう? 予言者一族ですね)に生まれた少女Lirael。途中からサブリエルの息子 Sameth も出てきます。この巻の見所はなんといっても Lirael が所属することになるClayr の図書館! もう、最高です。楽しすぎるー。主人公達はちょっとめそめそ系(?)ですが、今後に期待、というところです。

"Abhorsen" 2003
「アブホーセン−聖賢の絆」(古王国記3)
原田勝訳 主婦の友社 2004

"Sabriel"シリーズの第3部、完結編です。やっとPBになったので読みました。相変わらず文章は堅めでフラットです(笑)が、今回は展開がとっても速くて面白かったので、どんどん読むことができました。どうやってオチをつけるのかなー、と思っていたんですが、大丈夫、ちゃんと終わってます。
英語で読んだ方がいいな、っていう程の文章ではない気がするので(私は翻訳版がハードカバーじゃなかったら英語では読まなかったと思います)、そういう意味では日本語で読んでもいいかなーって思いますが、逆に、「とにかくがんがん読める本」をっていうことであればこれは楽しいです。



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