ファンタジー・海外

Robin McKinley
ロビン・マッキンリイ

オリジナルのファンタジーを書いていたけれど、最近は童話のノベライズをメインに書いてるみたいです。オリジナル、好きだったんですが。

翻訳が出ているのはこの2冊。当時、「3部作」と言われていたんですが、どうやら第3部は書かれなかった模様です。

「青い剣」
渡辺南都子訳 早川文庫 1985
"The Blue Sword" 1982
「英雄と王冠」
渡辺南都子訳 早川文庫 1987
"The Hero and the Crown" 1985

両親の死後、親戚に引き取られて砂漠の町イースタンに住むことになった少女ハリーは、何故かこの地に、この砂漠に不思議な帰属感を覚えていた。砂漠の向こうには魔法の王国、ダマール王国がある。そしてある日、彼女の家を訪れたダマールの国王、コールラスは、自らの申し出が受け入れられなかった代償として、ハリーを砂漠へと連れ去った……(「青い剣」)。

砂漠。遊牧民の王さま。伝説の剣。砂漠の駿馬。狩りをする猫。
と、なんだかおいしい設定が揃った、冒険ファンタジーです。異世界もの、というよりは、ほんの少しこの世界をずらした、という程度の世界設定。わかりやすいし、読みやすいです。ヒロイン達がまっすぐな頑張りやさんで、そこがいいんですよね。脇役も渋い。私は大好きでした。


というわけで、未翻訳の原書をちょっと読んでみました。

"Beauty" 1978
"Rose Daughter" 1997

両方とも「美女と野獣」のノベライズ。作者にとって、「美女と野獣」は特別な物語なのだそうです。デビュー作として"Beauty"を書き、近年、ある種の記念碑として新たに"Rose Daughter"を書き下ろしています。この2作、ベースは同じでも全然違うお話に仕上がっていて、比較するのもなかなか面白かったです。原作により近いのは"Beauty"の方。"Rose Daughter"は、「この終わりって………」とか思ったりします(笑)。

この方の文体は、同じことを何度も何度も、少しずつ表現を変えながら緻密に語っていくというスタイル。ある意味、とても勉強になります(笑)が、苦手な方は苦手かも。私は、最初のうちは結構苦労しましたが、慣れてくるとだんだん快感に(爆)。マキリップのような文体の美しさはあまりないのですが、"Rose Daughter"の方には、いくつも印象的な美しいシーンがありましたし、なにより園芸マニアの血を騒がせるような、楽しいバラ園芸の毎日の描写が。ちなみに"Beauty"の方は、設定もお話の展開も、なんだか「バーバラ・カートランド・ロマンス」でした(笑)。
私はファンなので、とても楽しかったです。



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