ミステリー

Mark Richard Zubro
マーク・リチャード・ズブロ

以前、創元推理文庫で1冊だけ翻訳が出て、それで終わってしまいました。あまり売れなかったのかなー。それとも特殊だから?割と好きだったんですが。

"Why Isn't Beckey Twitchell Dead?"
Mark Richard Zubro New York, St.Martin's Press 1990

クリスマス休暇を目前に控え、生徒達に課したスペリングテストの採点に追われるトム・メイスンの元に、彼のよく知る生徒の母親が訪れた。彼女の息子達は、いわゆる「出来の悪い」生徒。今度は一体何が、と問いかける彼に、彼女は言った。「ジェフが逮捕されたの」。ジェフは彼女の下の息子。彼は、恋人スーザンを殺害した容疑で、警察に連れて行かれたという。
冤罪だと信じる彼女と、ジェフ自身に頼まれ、トムは校内で聞き込みを始めるが……。

大昔に、創元推理文庫から「黄昏のハイスクール」というタイトルで1作目が出たきり、翻訳が続かなかったゲイ・ミステリのシリーズ2作目です。というわけで、「その方面は絶対ダメ」な方は見なかったことにしてください(笑)。熱血高校教師トムと、その恋人で現役大リーガーのスター選手スコットがラブラブな活躍を見せるお楽しみシリーズ。何だか大きい版のPBだったんですが、厚くないので片手で持てました。大丈夫。

熱血、と書きましたが、基本的にはトムは分析的で冷静な、「愛のある」英語教師。ベトナムの海兵隊上がりで、今もトレーニングを欠かさないのですが、生徒を力で脅したり威圧したりはしない、「あの先生は大丈夫」な先生です。でも、攻撃されたらやり返すし、今回は雪道のカーチェイスとか、それはもう大変な(笑)。
作者は現役の高校教師なのだそうで、アメリカの高校の先生の日常が細々と語られるのも興味深いです。でもねー、麻薬だなんだがそこまではびこる、次々と殺人が起こる高校ってどうなんでしょう? 

今回は、親からプレッシャーをかけ続けられた子ども達の悲劇の物語。どこの国でも、同じことがあるのだろうな、と思います。とても悲しいことですけれど。
2004.11.23



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