ミステリー

Jacqueline Winspear
ジャックリーン・ウィンスピア

新しい作家さんです。とりあえず、日本語で1冊だけ読みました。今後に期待しています。

「夜明けのメイジー」 
長野きよみ訳 早川文庫 2005
"Maisie Dobbs" 2003

第一次世界大戦後のロンドン。32歳のメイジー・ダブズは、師、モーリスから独立して小さな探偵事務所を開いた。最初の仕事は貴婦人の浮気調査。しかし、彼女が導かれたのは姓のない名前だけの墓碑だった……。

まだまだ階級社会の残るイギリスで、運と真摯な努力によって下層階級から階段を上がってきたメイジー。物語は、現在の彼女と過去の彼女、そして、戦争の傷がそこここに残る厳しい時代を、やわらかい筆致で語っていきます。その墓地に埋められている人々の多くも、若くして戦地に散った若者達。調査を進めるうちに、メイジーは、自分自身の心の傷とも向かい合っていくことになるのです。

うん。久々の大ヒットです。こういう、「生真面目すぎるほど生真面目な努力家」さんのお話は大好き。もちろん、ユーモアもあって、人間的。全体として視線がやさしくて、素敵です。ただ、戦争の厳しさ恐ろしさを切々と語る物語でもあるので、そういうのが苦手な方には向かないかもしれません。色々な意味で切ない、やりきれないところもあるお話。でも、やっぱり人はそれをも受け止めて生きていかなければならないのでしょう。

原書では次の巻("Birds of a Feather" 2004)も出版されている模様です。PBになってたら考えます(笑)。でも、すぐ翻訳されるかなー。
2005.4.8



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