ミステリー

Alice Kimberly
アリス・キンバリー

コージー系ミステリーの若手(?)の1人。まだまだこれからの人かなと。

「幽霊探偵からのメッセージ:ミステリ書店1」
新井ひろみ訳 ランダムハウス講談社文庫 2006
"The Ghost and Mrs.McClure" Alice Kimberly, 2004

由緒正しい(?)田舎町キンディコット。夫の死後、息子を奪い取ろうとする夫の金持ちの親族との付き合いに嫌気がさしたペネロピーは、故郷であるこの町に帰って来て、叔母の経営する書店の共同経営者になった。個人経営の書店は生き残りが難しい時代だけれど、大手出版社に勤めていた経歴とコネを利用すればきっとなんとかやっていけるはず。
しかし、万難を排してやっと開催にこぎつけた大物作家のサイン会の席上、その作家が突然死を……。

どこかで見たような設定の、どこかで見たようなお話(笑)。
数年間都会で働いて、故郷に戻ってお店を始めた女性が主人公のミステリー、最近、めちゃくちゃ多い気がします。気のせい? さすがにちょっと飽きてきました。いえ、そんなこと言うなら読まなければいいんですけどね。何となく見かけると買って読んでみてしまうという……。

それで、この本ですが、他のシリーズとちょっと違うのは、ヒロインの他に主人公がもう1人いて、それが幽霊だってことです(笑)。50年以上前に死んだ、ハードボイルドな探偵の幽霊。彼は何故かこの書店の建物に閉じこめられていて、これまた何故かペネロピーにだけは直接話しかけることができます。これまで地味に我慢を重ねた人生を歩んできた、ごく普通の(推理力のない)女性であるペネロピーと、この建物からは出られないし、一時には一カ所にしか存在できない幽霊探偵のジャック。彼らがコンビを組んで推理を繰り広げる……ところまでいくのが今回のお話。まだまだこれからのシリーズですね。

ジャックの語りの部分だけはハードボイルドだけれど、他はどう読んでもコージーなこの本。推理物としてはまあ、コージーです(笑)。ただ、舞台になる書店はミステリー書店で、古今東西のミステリーからの引用が続々と、ってところがファンには楽しいですね。まだ新しいシリーズなので、とりあげられている作家も最近の人が多いところがちょっといい感じ。私は最近なまけているので、名前だけ知っていて読んでいない作家もありました(苦)。

特にどうということもないけれど、さっくり読める軽い殺し(笑)。
そういうのがお好きな方に。
2006.02.08



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