ファンタジー・国内

田中芳樹

どのジャンルに入れればいいのかわかりません(笑)が、最初私はファンタジー作家として考えていましたので、一応こちらに。以前は文庫になると欠かさず読んでいましたし、新書も結構読んでいましたが、中国物が増えてからはあまり……。でも、そのうちまとめてご紹介したいです。

「夜光曲:薬師寺涼子の怪奇事件簿」
祥伝社(ノン・ノベル) 2005

新緑に染まっていた新宿御苑の木々が、一夜にしてすべて枯死した。化学兵器か、細菌兵器によるテロなのか、それとも……? だが、現場を視察した薬師寺涼子警視は、その場を公安部に任せてあっさり引き下がった。しかしその夜、蛍狩りに訪れた都内有数の名園でも、蛍が凶暴化して人々を襲うという惨事が起こる。やはり、東京を狙う何者かが存在するのだ。涼子の部下、泉田警部補は、次なる事件を阻止するため、とある団体の例会に潜入させられるが、そこには……。

「ドラよけお涼」こと、薬師寺涼子警視の活躍するドタバタホラーシリーズ最新巻です。ええと、何冊目なんでしょう? 出版社もまたがっているし、よくわかりません(笑)。全部読んでいるはずなんですが、この巻は出たことさえ知りませんでした。どうもこのごろ鈍くていけません。いやはや。

お涼さま、相変わらず爽快です。あそこまでいけば人間何をしても許されるのでしょう(笑)。政治家やお役人、警察についての描写が相変わらず行きすぎ(そうじゃないと言いたいわけではなくて、わかってるからそこまで書かなくてもいいのに、という気持ち。読んでても不愉快なだけだから)なのを除けば、なんの憂いもなく楽しく読みました。今回、あんまりラブラブじゃなかった(笑)ですが、そういう意味では全体的にスケールの小さいコンパクトなお話でしたね。舞台も東京ですし、お金に物を言わせる部分も少なかったような。でも、その分、まとまっていて楽しいお話でした。
2005.02.13

「霧の訪問者:薬師寺涼子の怪奇事件簿」
講談社ノベルス 2006

傍若無人な上司、お涼に呼び出され、長野新幹線に乗った私は、後から乗り込んできたお涼に、これは仕事ではなく休暇だと言い渡された。行き先は軽井沢。薬師寺家の豪華な別荘。自分で届けを出した記憶もないというのに。しかしもちろん、私がお涼に逆らえる訳はない。運命は決まり、悪夢の夏期休暇が始まった。だが珍しく、最初に私に降りかかった災難は、お涼に起因するものではなかった。

……って、こう書くとお涼さま、とっても悪い人みたいですね(笑)。
いえ、とってもすごい人ですけど(爆)。
出版社をまたがって刊行されている、田中芳樹の人気シリーズ「ドラよけお涼」、最新刊です。いつ出たんだろう? 全然気がついていませんでした。このごろ、本屋をあまり真剣に回っていないのがバレバレですねー。いやはや。

夏休みの終わりに出た、夏休みのお話。出てくるのは奇妙な大富豪令嬢に、神懸かりなアメリカの大富豪、マッドな医者に、女装軍団(爆)。舞台は日本の誇る避暑地、軽井沢です。私、子供の頃にちょっと寄ったことがあるだけで、実はちゃんと軽井沢に行ったことがありません。貧乏人だし(苦)。イメージだけが先行してる感じですねー。俗化してしまったとか、一時色々言われていましたが、今はどうなのでしょう? ある意味、どこへ行っても同じことになっているのでしょうか。

さて、毎回、わけのわからない化け物が出てくる(怪奇事件簿だし)このシリーズですが、今回、その意味では大人しかった(笑)です。建物破壊率も低い。その分、怪しさ大爆発なイベントが出てきましたけどねー。正直、化け物よりも想像したくなかったかもしれません。その辺は、読む人それぞれだと思いますが。

何も考えず、わーすごーい、と読むだけの楽しいお話。
今回も楽しく読みました。
でもやっぱり、政治家批判その他が、読んでいてちょっと鼻につく時があるかなあと。
それも個性と言えなくもないですけれどもね。
2006.08.27 

「アルスラーン戦記11:魔軍襲来」
光文社カッパノベルス 2005

「アルスラーン戦記」、超久しぶりの新刊です。発売日うろ覚えだったんですが、今日、実家に行くときに途中駅で本屋に入ったら置いてありました。で、あっという間に読めてしまうところが、日本語の本って本当に切ないです。

さて、ここまでの巻を読んでいらっしゃらない方にはネタバレ注意です。ここから先は読まないでくださいね。

マルヤムの国王として即位したギスカールの元に、陳情に訪れたエステル。しかし、ギスカールには、ルシタニアに戻るつもりなどさらさらなかった。仇敵ボダンをついに滅ぼした彼は、国王としてマルヤムに生きることを選んでいたのだ。一方、外国との戦を終えたパルスでは、蛇王ザッハークの手下達の動きが活発になり……。

ええとー、最初、ギスカールとヒルメスが頭の中で混ざっていました。ごめんなさい(汗)。やはり、10巻まで全部読み直してから読み始めるべきだったのでしょうか? でも、結論を言うと、意外と覚えてるものですね(笑)。慣れてしまったらそのまま、特に記憶のブランクもなく読めました。前の時もブランク長かったし、慣れって恐いですね。

うん。やっぱりこのシリーズは好きですねー。面白いです。
キャラクターが個性的で、生き生きしていて。お話も波瀾万丈。私は、田中芳樹の作品の中では、昔からこのシリーズが一番好きでした。惜しむらくは、なかなか新刊が出ないことですが……。

ええと、だんだんファンタジー度もアップしてきました。昔は本当に「戦記物」っていう感じでしたから。いえ、それはそれで面白かったんですけど、化け物関係になってくるとまた別の楽しさが(笑)。今のところあんまり知的じゃない化け物ばっかりでそこがいまいちですが、お楽しみはこれからですよね。新たな登場人物も現れて、色々と動き始めましたし。でも、舞台を分散しすぎて、この1冊だとそれぞれさわりの部分しか語られていないような……。何となく、2〜3冊まとめて読まないとお話が進まないような気がします。次の巻って本当に出るんでしょうか? 何年待つのでしょうか? どきどき(笑)。

私は主人公びいきな読み方をする人なので、割とアルスラーンが出てくるところを喜んで読みます(笑)が、今回、ヒルメスの未来が結構楽しみに……。ぜひとも頑張って頂きたいものですねー。
2005.09.23

「暗黒神殿:アルスラーン戦記12」
カッパノベルス 2006

よもやこんなに早く(笑)続きが出るとは……。
と、正直とってもびっくりの「アルスラーン戦記」第12巻です。

パルス東方国境の要、ペシャワール城塞を襲ったのは、何者かに統率された魔物の群れ。本来、知恵を持たぬはずの魔物達は、その何者かに戦略を授けられ、空から人間達に石による攻撃をかけてきた。それは、勇猛を誇るパルス軍の兵士達にとってさえ、恐るべき一夜となる。そればかりか、パルス全土に魔物の跳梁が目立つようになり、王太后タハミーネの元にも蛇王ザッハークの手が忍び込む。いよいよ本当に蛇王が目覚めようとしているのか……。一方、ミスル国では、ヒルメスがその手に力を握ろうとしていた。

おお、大分盛り上がってきましたね(笑)。化け物率も格段に上がって、すっかりファンタジーしてきた今日この頃。いえ、普通の戦記物としても楽しく読んでたんですけどね。昔から。
ってことで、今回も楽しく一気読みしました。皆様相変わらずで、なかなか。で、本当に、結構覚えてるものなんですよねー。11巻以外は、もう何年も読み直しもしていないというのに(爆)。不思議です。新しい巻のページを開いて、ちょっと読んでいると、ちゃんと前の出来事が蘇ってそこに待ってる、みたいな感じ。人の記憶って一体どうなっているんでしょうねー。

さて今回ですが、取り逃がしまくってる話?(笑)。皆様お疲れ様、な感じです。いいとこどりは王様やってるアルスラーンでしょうか? でも、私は昔から彼を応援しているので、それでいっこうに構いません(爆)。これからもぜひ頑張って、さり気なく臣下の人々をこき使ってあげて欲しいものです。やっぱり、「この人のためになら何でも頑張らねば」と思わせてこその王様。そうでなくてはー。

怒濤の展開が始まったこのシリーズ、一応来年も出る予定らしいです(笑)。本当だったら嬉しいですね。
2006.12.10



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