ファンタジー・海外

Anne McCaffrey
アン・マキャフリー

本来SFの人なので、そちらにページを作るべきなのですが、それをするととっても大変(汗)なことになるので、しばらくこちらに置いておきます。「パーンの竜騎士」シリーズや「歌う船」シリーズは半分くらい、その他も大体半分くらい読んでいるかなあ。学生時代にはまった作家さんの1人です。当時一番好きだったのは「歌う船」か「キラシャンドラ」。

「もしも願いがかなうなら」
赤尾秀子訳 創元推理文庫 2006
"If Wishes Were Horses" 1998

小さな村の領主の娘ティルザは、14歳。公正な審判で知られる父と知恵と癒しの不思議な力を持つ母に守られ、兄妹達と幸せに暮らしてきた。しかし、ある日、彼らの公国に隣の国が攻め込んできたという知らせが届く。父はすぐに兵士を集めて戦場に向かい、母は長い戦に備えて村の人々と力を合わせて働き始める。ティルザも、兄妹達も頑張るのだが、戦は長引き……。

「パーンの竜騎士」シリーズでおなじみ、アン・マキャフリーの、中世ロマンティック・ファンタジー。絵本のような作りの、可愛い本です。翻訳されるのは3冊目ですね。3冊の中では、私はこのお話が一番気に入りました。

「わたしになにができるか考えましょう」

そう言って、ティルザの母はいつも人々のために親身になって考え、力を尽くします。そして、その力を継いだティルザも、自分に出来ることを、しなければならないことを考え、自分のことよりも人のことを思いやる娘に育ちました。なんだかねー、良い子なんですよねー。控えめでおとなしくて、でもちゃんと物を考えて行動できる女の子。最近ではすごく珍しいタイプのヒロインのような気がしました(笑)。

女の子には水晶、男の子には馬。
16歳の誕生日にプレゼントされるはずだったけれど、戦の最中では馬はきっと手に入らない。自分の水晶はちゃんと母の部屋の箱の中に納められているのに、ふたごの兄トラセルには何もない。トラセルは、本当に頑張っているし、馬をもらえるのをずっと楽しみに待っていたのに……。

祈りに応えて力を貸してくれる水晶は、母とティルザの、そしてトラセルの願いをかなえてくれるのでしょうか。
全体がやさしい祈りのような、懐かしい雰囲気の物語。肩の力を抜いてお楽しみ下さい。
2006.10.19



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