ファンタジー基本図書?


「木かげの家の小人たち」

「木かげの家の小人たち」
いぬいとみこ著 福音館文庫 2002.6
(初刊は中央公論社 1959)

森山家の3人の子どもたちの秘密の仕事、それは、彼らの住む家の書庫の天井近くに住む4人の小人の家族に毎日1杯の牛乳を届けること。昔、遠いイギリスからやってきた彼らの存在を、他の人々の目から隠し続けること。
けれど、末っ子のゆりがすぐ上の兄からその仕事を引き継いでまもなく、戦争が始まりました。小人たちの届けるミルクを手に入れることも、自分たちの生活を守ることさえも次第に厳しくなり、やがて、彼女は家族の元を離れて小人たちとともに疎開することになります。

思想犯として投獄されてしまう父。戦うことを嫌っていながらも出征していく心優しい上の兄。かつては自分は小人たちにミルクを運んでいたにもかかわらず、今はその行為を非国民のすることだと憤る下の兄。そして、病弱で集団疎開にも加われず、あまりつきあいのなかった親戚を頼ることになったゆり。今になって読み返してみると、改めて心が痛みました。

この物語は、いわゆる反戦児童文学の名作の一つです。私は子どもの頃に角川文庫版で読みました。最近では入手が難しくなり、残念に思っていたところ、福音館文庫で復刊されました。今の子どもたちにもこういう本を沢山読んでもらって、平和の大切さを心で知っておいて欲しいな、と思います。

あなたは、小人たちのためにミルクを運び続けることができますか?



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