ファンタジー基本図書?


「小川未明童話集」

「小川未明童話集」
桑原三郎編 岩波文庫 緑 1996
(新潮文庫からも出ています)

名前だけだと、誰この人? と思う方も多いかと思いますが、「赤いろうそくと人魚」とか「殿様の茶わん」と言えばおわかりになるのではないでしょうか。私の頃の国語の教科書には他に「野ばら」も載っていました。国境を守る2人の兵隊さんのお話。今の国家指導者の方々にぜひお読みいただきたい物語かもしれません。この本に載っている他の作品も、どこかに悲しみの影のある、けれども美しくて意味深い物語です。古めかしい日本語の響きもきれい。遠い異国への憧れが、切ない想いとして存在した時代に書かれたものなので、そういった面でも印象的な物語が多いです。

新潮文庫版の童話集が、何故か子どもの頃の我が家の本棚にありました。だから、私は結構早いうちに読んでいたみたいです。昔からお気に入りでした。でも、その本は残念ながら処分されてしまったので、数年前に岩波がこの本を出してくれたときに大喜びで買ってきました。岩波文庫緑には、もう1冊「新美南吉童話集」(「ごんぎつね」)もあるんですが、私は小川未明の方が好きです。あくまで個人的趣味の問題ですが(笑)。

最近はあんまり見かけませんが、もちろんこの人は超有名だったので、文庫本でなくてハードカバーでも出ています。全集もあったようですが、絶版かなあ。図書館にはあるかと思います。たまには懐かしい本でも、と思う方はぜひ読んでみてくださいね。



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