ファンタジー基本図書?


「もしもし ニコラ!」

この本はファンタジーではないんです。
でも、私の基礎を築いた本のひとつであることは事実。ということで、とりあえずこっそりここに置いておきます。

「もしもしニコラ!」
ジャニーヌ・シャルドネ著 南本史訳 岡本颯子画
ブッキング 2005(初版は、あかね書房 1975)
Janine Chardonnet "Allo! Allo! Nicolas!" 1971

パリに住む小さな女の子リーズは、お父さんもお母さんも夜勤でいないある夜、家の中の物音が恐くてたまらなくなって、でたらめに電話のダイヤルを回した。 電話に出たのは、同い年くらいの男の子。眠そうな声で彼女を落ち着かせてくれた彼、ニコラは、パリからは350キロ以上離れたノルマンディーの農場に住んでいた。

子どもの頃に小学校の図書室から何度も借り出して読んだお気に入りの本です。買ってはもらえなかったので、自分では持っていませんでした。ねだってみればよかったのかも(笑)。長い間絶版で、最近、復刊リクエストにより復刊されたということは、同じようにこの本を好きだった人が、たくさんいたんでしょうね。嬉しいことです。で、先日、「やけ買い」モードに入っているときに、偶然書店で見つけて、つい買ってきてしまいました。

リーズとニコラは不思議なほど仲良くなり、寂しい夜にはリーズはニコラに電話をかけて、彼の語る田舎の風景や出来事に耳を傾けます。窓の外の木に住むふくろうの声、ニコラの飼っているにわとり、空気の中のすみれの香り。ニコラの語る日々の生活は、都会っ子のリーズには何もかも新鮮で、不思議がいっぱいです。

今だったら、ネットでチャット? それともブログ?
でも、これは、電話だから、本当に声が聞こえているからこその楽しさですねー。写真を送れる訳じゃないから、相手の姿はわからないし、景色も言葉の中にしかない。でも、だからこそ一層美しいし、楽しい。私は子どもの頃から電話が大の苦手でしたが、この本を読んでいる間だけ、ニコラみたいな電話相手がいたら楽しいだろうなーと憧れていたものでした。でも、そんな長距離電話、親におおめだまくらったでしょうね(笑)。

リーズもニコラも、ちょっといい子すぎるくらいいい子です。今の子どもが読むとその辺がどうなのかな、って思います。
でもやっぱり、私はこのお話、大好きです。
でたらめに電話をかけてみたくなりますね。
2005.05.04



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