ミステリー

Barry Eisler
バリー・アイスラー

日本で活躍(?)する日系人殺し屋ジョン・レインのシリーズが翻訳で出ています。外国人の目から見ると、現代日本ってこういう風にも見えるのかー、とちょっと感心。

"Rain Storm" 2004
「雨の罠」 バリー・アイスラー著 池田真紀子訳 ヴィレッジブックス 2006

ええと、このサイトでは前の巻までの紹介を出していない(苦)んですが、日系人暗殺者ジョン・レインのシリーズ第3巻です。前の巻までのネタバレを避けたい方は、この先は読まないでくださいね。私は2巻までは日本語で読んでいて、ずっと日本語で読むつもりでいたら、たまたまこのPBがバーゲンに出ていたため、つい買ってしまいました(笑)。ところが、読まないでいるうちに翻訳が!
……というわけで、慌てて読みました。珍しく現代物のサスペンス(爆)。

住み慣れた東京を離れ、ブラジルで「山田さん」として隠退生活を送り始めたジョン・レイン。しかし、彼の腕を求めるCIAは過去のつながりから彼の居場所をつきとめ、追いかけてきた。結局は、完全にリタイアすることは不可能ということなのだろうか。
新たに依頼された仕事は武器商人の暗殺。マカオへ飛んだレインは、周到な計画を練り、自然死に見せかけた暗殺を目指す。しかし、そこには別の暗殺者や、彼自身を襲う敵の手が……。

前の2作は東京が舞台で、色んな意味で笑えたんですが、今回はマカオや香港が舞台。あ、アメリカにも飛んでましたね。飛行機の中で眠れる人って、本当にうらやましいです(笑)。と、そんなことはさておき、日本人が読むと、文中にちりばめられた日本語や、日本人観が、微妙にずれていて面白いシリーズです。本当にちゃんと暗殺者物なので、どなたにでもおすすめというものではないんですけれど、私は結構気に入っています。レインのプロフェッショナルぶりが、えも言われずかっこいいですし。

そして、今回は、失恋の痛手を抱えるレインの前に謎の美女が!
……というわけで、ちょっと切ない大人の関係も楽しめました。でもやっぱり、見せたのはドックスかなあ。アフガニスタン仲間で、海兵隊あがり狙撃手ドックス、なんだか、とってもいい味出してました。今後の活躍も期待されます。

というわけですが、1話完結だけれど、人間関係その他は完全続き物なので、お読みになる場合には1巻からどうぞ(笑)。ええと、日本語だと「雨の牙」「雨の影」ですね。

さて、久しぶりに「カタカナ英語」炸裂の洋書を読みました。
さすがに、それほど反応しなくなっていました。
正直、「学校英語で習った程度の単語とカタカナ英語しか出てこないー。うわー」とか思いましたねー。超楽勝? 後半はさすがにちょっと厳しくなってましたが、でも、そういう意味では、やっぱり現代物は読みやすいのかもしれません。
ただ、ちょっと読んで思ったのは、こういう本を読む場合、"Uncle Sam" って出てきたのを「合衆国政府」と思って読めるか「サムおじさん」と読むかで理解度が全然違うだろうな、ということでした。この手の本読み仲間に言ったら「ええっ? そんなの(合衆国政府)当たり前じゃん」と言われたので、最初からそういう本が好きな人には標準装備なのかもしれませんけど(笑)。背景知識がないと理解できないという意味では、現代物もファンタジーも同じこと。私も最近はこの手をあまりよんでいなかったので、アフガニスタンはともかく(?)、チェチェン辺りは綴りも怪しかったです。

次巻は"Killing Rain"。早速ドックスとのコンビプレイが見られる模様。
でも、日本語かなー。
2006.07.15



トップへ
戻る
前へ
次へ




SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送