ファンタジー基本図書?


「たのしいムーミン一家」

「たのしいムーミン一家」
トーベ・ヤンソン作・絵 山室静訳
講談社青い鳥文庫 1980 (単行書初版 1968)

ムーミン谷のムーミン屋敷に暮らす、ムーミントロールとそのパパとママ、そして愉快な仲間達。四季折々の自然と、楽しい冒険の毎日が生き生きと描かれる、にぎやかなシリーズの第1巻です。

アニメではとても有名なのに、本は読んだことないという人も多いみたい。でも、このシリーズ、文章もとても素敵だし、本の方がずっと物語に奥行きがあって、面白いんです。登場人物もとにかく個性的だし、絵にもちょっとくせがあって、それが楽しいんですよね。

この巻の中の、ムーミン屋敷につる植物がいっぱいになってしまうお話が、子どもの頃、とても好きでした。ぐるぐるにつるが巻き付いて、どんどん花が咲いて美味しい実がなる。ターザンごっこもできるし、探検もできる。外は雨。なんだかわくわくしました。

以前、本屋さんの児童書コーナーで、この本を選んだ子どもに向かってお母さんらしき人が「もっと名作を読んで欲しいのよね、そういう面白いだけのお話じゃなくて、名作を」って言っていました。ムーミンが名作じゃないなんて、これが名作じゃないとしたら、何を名作って言うのー? と心の底から思った私。結局、ムーミンを選ぶことを許されなかったその子が何を買ってもらったのかはわかりません。いつか手に取れる日が来るといいのですけれど。

子どもの頃に自分で選んで好きになった本は、やっぱり一生の宝物。ムーミンを自分で選んだその子には、ぜひ、本の呼ぶ声が聞こえる大人に育って欲しいなって思いました。



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