SF

Larry Niven
ラリイ・ニーブン

スペースオペラがかったハードSFを書く人、という印象でしたが、今はどうなんでしょう? 学生時代に読みまくったんですが、長い間読んでいませんでした。ファンタジーも書いてるので、そのうちちゃんとご紹介しないといけないですね。

「リングワールドの玉座」
小隅黎訳 早川文庫 2006(単行本は早川書房 1998)
"The Ringworld Throne" 1996

「リングワールド」の第3巻です。
これまでのお話のネタバレを避けたい方はこの先は読まないで下さいね。ついでに言うと、このシリーズをはじめて読む方は、この巻からではなく、「リングワールド」から読んで下さいね。「リングワールド」と「リングワールドふたたび」を読まないでこの本を読むのは、あまりにももったいないです。読めないわけではないと思いますが。

文庫化されるまで8年。さすがに私もこんな本が出ていたことさえ忘れていましたが、文庫新刊コーナーで見かけたら逆らえませんでした(笑)。だって、リングワールドですよ? リングワールドなんです。逆らえません(笑)。
クジン人、パペッティア人、ステッピング・ディスク、ティーラ・ブラウンの幸運(爆)。
思い出しただけでわくわくします。

失われた高度文明が作り出した巨大な環状建造物リングワールド。それは、太陽を中心に置いた、一つの完成された世界だった。地球人の探検家ルイス・ウーはかつて、再発見されたこの世界を仲間達と訪れ、その危機を救う為に動いた。しかし、その時の自らの選択ゆえに自らを責めずにはいられなかった彼は、加齢による死を選ぶつもりで「至後者」とのアクセスを拒否して生きることになる。ところが、リングワールドには再び侵攻の手が伸び、プロテクター達もまた怪しい動きを見せ始めていた……。

あ、何がなんだか全然わからない内容紹介かも(笑)。
「リングワールド」は、ラリイ・ニーヴンのSF作品の主軸をなす、「ノウンスペース」シリーズの中の1作です。地球人以外にも色んな(人型以外の)宇宙人の出てくる、遠未来の宇宙を描いたシリーズ。私は学生時代に結構はまって、当時翻訳が出ていた分は片っ端から読みました。でも、新刊待ちをして読み始めた頃にどうしても読み続けられなかった作品があって、以来、全然読まなくなってしまっていました。生理的に合わなかったんですよねー。不思議。でも、それ以前に「リングワールドふたたび」まではもちろん読んでいて、その楽しさを覚えていたので、今回は逆らえなかったわけです。読んでみると、やっぱり面白い。物語というものの楽しさを思い出させてくれる本ですね。圧倒的な力がある。ただ、今回、話が完全には終わっていなくて、それが微妙に消化不良でした(苦)。

そうですね、本当に、読み終わってみると、割と中身のない話だったのかも(笑)。でも、読んでいる間は物語の力にとらえられて、楽しく過ごせました。ルイス、苦悩してますが、でもやっぱり人生楽しんでるし、リングワールドの住民達もそう。プロテクターのお話が中心なんですが、彼らにも彼らの物語があるんですね、やっぱり。何が何でも守りたい、という気持ちは、私にはないものですけれど。

何を生き延びさせるために何を殺すのか。
選ぶのは誰なのか。

こういった主題を扱うSFを読むことを、そういえばずいぶんしていなかったんだな、と改めて思いました。昔は大好きだったんですよね、私。

言葉遊びというか、ネーミングが楽しいこのシリーズ、今だと、カタカナのルビの意味がわかって、それがなんとなく嬉しかったですねー。学生時代だと、単にカタカナだったという(笑)。さすがに最後に読んでからこれだけ時間が経ってしまったら忘れていたことも多かったですが、懐かしく楽しく読みました。あ、ひまわり花が名前だけしか出てこなかったのが残念だったなー。出てきたら危険ですけど(笑)。

次の巻、もうすぐハードカバーで翻訳が出るのだそうです(遠い目)。
さすがに英語では読みたくないなあ。
2006.05.09



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