SF

James P. Hogan
ジェイムズ・P・ホーガン

SF作家の中では文句なしに一番好きな作家です。
この人の作品に流れる一貫した楽観主義とユーモア、そしてその「データの羅列のような文章」が心地よくて、以前は精神的に落ち込むとこの人の作品を読んでいました。今はそうでもないですが、やっぱり大好きです。

というわけで、原書で読んでみました。とりあえずこれです。

"The Giants Novels" 1994
3部作を1冊にまとめたお得版。入っているのは以下の3作です。

"Inherit the Stars" 1977
「星を継ぐ者」 
池央耿訳 創元推理文庫 1980
"The Gentle Giants of Ganymede" 1978
「ガニメデの優しい巨人」
池央耿訳 創元推理文庫 1981
"Giant's Star" 1981
「巨人たちの星」
池央耿訳 創元推理文庫 1983

実際には、すごく時間がたってから続きが出版されてるんですが、これは最初の3部作をまとめた本。本当に続きもので、1冊ごとにご紹介すると前の巻のネタバレをせずにはすまされないので、まとめてのご紹介です。

21世紀中盤、国際的な融和を果たし、宇宙進出を始めた人類は、月で宇宙服を着た死体を発見する。月の基地のどこにも記録のない、あるはずのない死体。驚くべきことに、それは5万年前からそこにあった、けれども間違いなく地球人類の死体だった。かつて宇宙進出を果たした人類が存在した? しかし、地球上のどこにも、それらしき形跡は残されていない。そして、調査を続けるうちに、科学者達はさらなる謎に直面することになる。

あうううう、ネタバレせずには書けないー(汗)。
まあ、そういうお話です。1巻目は謎が謎を呼ぶ導入編。2巻目は接近遭遇編。3巻目はスパイもの(笑)。どれも理系バリバリのお話ですが、ホーガンはとってもユーモアのある人物描写をする人で、私は大好きなんですよね。巨人達がとにかく大好きー。

この3部作は、70年代末から80年代初頭にかけて書かれた作品です。だから、設定には古いところが色々。で、その中で今回一番、「うわー、時代が違うー」と思ったのは、ソ連があるままの未来とかそういうことではなく、主人公たちがとにかく煙草を吸いまくる、ということでした(笑)。航空機の中でも、宇宙基地でも、異星人の前でも遠慮なく吸う。考えてみれば昔はそうだったんですけれど、なんだか隔世の感が(笑)。


それから、翻訳最新巻、読みました。

「揺籃の星」(上・下)
内田昌之訳 創元推理文庫 2004
"Cradle of Saturn " 1999

最新シリーズ1作目。翻訳が出たので読みました。
途中からやめられなくなって一気読みしたんですが、正気に返ると何となくなんだかなー、という気持ちも(笑)。

「彗星が地球を直撃する?」というこのお話、前半は政治向きの話が続き、後半は大災害パニック小説。面白いんですけど、ホーガンのSFとしてはどうなんでしょう? あ、いつものこと?

というわけで、微妙に気に入らない部分があったりしたのですが、でもやっぱり全体としてはこの人らしい雰囲気で、ついつい読んでしまいますねー。次の巻はさすがにSF(だって宇宙が舞台だし)かな、と思って、ついうっかりPBを発注してしまいました。日本語になる前に読みたいものです。



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