ファンタジー・海外

Guy Gavriel Kay
ガイ・ガブリエル・ケイ

最近は、架空の歴史物語にシフトしているらしい、本格ファンタジー作家さんです。「シルマリルの物語」の編纂を手伝った方だとか。

「夏の樹」(フィオナヴァール・タペストリー1)
井辻朱美訳 早川文庫FT 1989
"The Summer Tree" 1985

大昔にこの第1部だけが翻訳され、続編が訳されないまま絶版になってしまいました。洋書を読めるようになった時に、「ああ、じゃああの続きも読めるんだ」と思った本の一つ。
続きはこちらの2冊です。

"The Wandering Fire"
"The Darkest Road"

ケルト神話とアーサー王伝説をモチーフにした異世界ファンタジーです。すべての世界の元となる真世界「フィオナヴァール」を舞台に、光と闇の戦いが描かれます。主人公たちはこちらの世界から引き込まれた5人の大学生。でも、こちらとあちらがどうのという日常的な物語ではなく、フィオナヴァールでそれぞれ大きな運命を背負わされることになった彼らの苦悩と戦い、フィオナヴァールの人々や神々の選択とその対価が語られる、とても重い物語です。傾向としては「十二国記」などに近いでしょうか。こちらの方が神様がかってますが。

優美で力強い文章で書かれています。とても美しくて、安定していて、流れるような英語でした。ちょっとかっこつけすぎ? という部分もあるのですが、それも魅力のひとつかもしれません。

久しぶりにちゃんとしたファンタジーを読んだなっていう気がしました。難し系のファンタジーファンの皆様にはおすすめです。ケルト神話は知らないでも大丈夫ですが、もしアーサー王の本を1冊も読んでいないという方がいらしたら、簡単でもいいので1冊は読んでから読むことをおすすめします。



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