ファンタジー・海外

Brian Jacques
ブライアン・ジェイクス

擬人化されたねずみたちが主人公の、児童書系ファンタジーシリーズ「レッドウォール」の作家さんです。他はあまり書いてないのかな。レッドウォール、原書ではかなりの冊数が出ているみたいですが、翻訳ペースは遅め。児童書系ハードカバーなので、原書で読むことにしました。

"Redwall" 1986
日本語版は「勇者の剣」 徳間書店

モスフラワーの森に建つレッドウォール修道院。そこは、平和を愛するねずみ達が暮らし、傷ついた者を迎え入れて癒す、美しい聖域だった。森の生き物たちは修道院を愛し、何かの折りには手をさしのべ合って平和に暮らしていたのだ。だが、ある日、伝説の存在であったはずの恐怖のねずみ、クラニーとその凶悪な軍隊がこの地を訪れ、修道院の見事な建物に目をつけた。こここそは、クラニーの城となるべき理想の地だ。クラニーは修道院近くに陣を敷き、修道院への侵攻を開始する。
修道院の見習い修道士である若きねずみマサイアスは、修道院を救うため、伝説の勇者マーティンの剣を探し求めるが……。

ええと、ねずみ(mouse)、いいもの食べてます(笑)。あ、敵のねずみはrat。やっぱり、ratって悪いイメージなんでしょうか? なんだか、そういう意味ではいかにもっていう設定なんですよね、敵味方の動物が。児童書だし、そういうことなのかなー、とも思うのですが、ちょっと不思議でした。とまあ、それはおいといて、修道院のごちそう、それはそれは素晴らしいです。でも一体、どうやってアイスクリーム? それより、どうやってチーズ? 人間がいて盗んでるっていうお話ではないので、自分達で作ってるんだと思うんですけど、牛乳とかどうやって手に入れてるんだろう? レンネットとかも。

と、そんなところを先に突っ込んでどうする? なのですが、最初からその辺でつまずいた私でした(笑)。もっと素直に読めってことでしょうか。突っ込み始めると止まらないので、あんまり考えない方がいいのでしょう、多分。お話自体はとても面白いです。要所要所で泣かせも入っているし、知恵と勇気で厳しい戦いを乗り切っていく仲間達の友情が素晴らしい。修道院や周囲の世界の牧歌的な美しさも印象的。それぞれの朝の描写とか、いかにも美しくて清々しいです。

戦いそのものは陰惨な部分も多いのですが、全体としては希望とユーモアに満ちた、楽しいお話。敵役のクラニー(とその下の軍隊)が本当に嫌な奴なので、勧善懲悪だから安心して読めます(笑)。そういうの、良し悪しだとは思うのですが、戦いの是非について悩むばっかりが能じゃないですしね。

森の様々な生き物が、自分達の特技を生かして防衛戦に参加し、お互いに認め合って活躍するのがとても素敵です。適材適所。キャラクターもそれぞれ個性的で、ユーモラス。色々な生き物が出てきて楽しいです。

さて、私は日本語版を読んでいなかったので、主人公Matthiasを、深く考えることなく勝手に「マティアス」として読んでいました。軽快な感じの、元気ではしっこいねずみにふさわしい響きです。ところが、試しに日本語版を立ち読みに行ったら、開いた頁には「マサイアス」と……。それ誰? なんだか偉そう(笑)。やはり真面目に発音を勉強すべき私でした。
英語的には、ハリポタやライラよりは簡単です。ただ、ねずみ以外の生き物はそれぞれちょっとずつ訛って喋ってるという設定なので、そこが場合によってはちょっと大変かもしれません。文章は生き生きしていて結構きれい。読みやすい明快な文章でした。

一応、次の巻も買ってみたので、そのうち読みます。
2005.01.17



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