ファンタジー基本図書?


「指輪物語」

「指輪物語」
J・R・R・トールキン作 瀬田貞二訳
評論社

内容をご紹介するまでもない、あまりにも有名なファンタジー作品。でも、私が中学校の図書館でこの本を借りて読んだ頃には、周りでは誰も読んでいなかったです。図書館のカードの名前、私が最初だったんじゃないかな。あのころのこの本は赤い布張りの立派な装丁。すごく立派な本なんだなー、と思いながら読んだことを覚えています。でも、誰も読んでいなかった(笑)。

私はこの物語の中の「エルフ」という存在にとても惹きつけられて、それこそむさぼるように読みました。何度も、何度も。ロスロリエンの地の輝きは、その後ずっと、私を支える力になりました。行くことは出来ないけれど、心の中にいつもある、光あふれる美しい場所。そこに流れる音楽と、木々のざわめき。今でも目を閉じれば、金色の光が目に浮かびます。それは、一生私の中にあるでしょう。

物語としてももちろん面白くて、今でもこの作品を越えるファンタジーは存在しないなっていつも思っています。光と闇、希望と絶望、信じ続ける勇気、友情と信頼。そして、語られる世界の、架空とは思えない確かさ。本当に、素晴らしい物語です。

映画になって、また一段と有名になったけれど、やっぱり原作を読んでいただきたいなって思っています。


一昨年から、お正月に1冊ずつ原書に挑戦しました。以下は2巻と3巻を英語で読んだ時の感想です。

"The Two Towers"

最初にこの本を(もちろん日本語で)読んだ頃、この第2部を読むのが一番面倒だったような記憶があります。暗い展開だったからなのか、進みがゆっくりに思えていたんです。まあ、子どもだったからなんでしょう。今読み直してみると、この巻の中で経過する日数って、たったの10日とかそういう感じですよね。怒濤の展開? でも、やはり暗いことは暗いです。もちろん。

私は昔からの読者で、自分の中にある程度確固たるイメージができていたつもりだったんですが、やっぱり映画を見てしまった(まだ2部までですが)ら、そちらの映像に引きずられる気がします。人物とかは特に。日本語で読んでいればフロドの口調とかがおじさんだから(笑)もうちょっと引き戻されるんでしょうけれど、英語だとそのままですしねー。ちょっと複雑です。

トールキンの文章、やっぱりきれいです。力強くて流麗な、最初からそこにあったような文章。かっとばして読むにはもったいないですね(笑)。
2005.01.03

"The Return of the King"

私がこの物語を最初に読んだのは中学校の時で、以来、大学くらいまでは何度も何度も読み返していました。社会人になってからはそうでもなかったので、まともに読んだのは多分10年ぶりくらい。子供の頃に読んだ本を大人になってから読み返すと、結構違った感想を持つものですが、それは、この本の場合でもやっぱりそうでした。英語で読むと否応なしにゆっくりちょっとずつ読むことになるので、そのせいもあるでしょう。

子供の頃の私が持っていた感想は「すごく面白い」「かなり暗い」「エルフが素敵」(笑)というものでしたが、今回の私の感想は「とっても作者の愛がある」「ものすごく考えて作り込まれていたんだ」「文章がとてもきれい」というものでした。外から読むようになってしまったということなのかなー。それはちょっと寂しいことですね。でも、本当に、今読んでみると、すごいなあとそればかり思ってしまいます。感想は変わっても、私の中では不動の1番。それはきっと、一生変わりません。

英語で読んでみて最初に思ったのは、「意外と簡単」だってことだったりします。まあ、読み終わって普通のPBを開いてみると、文章密度が全然違ったりもするので、程度問題なのですけれど。でも、最近の、妙に凝った緻密なファンタジーの英語よりは、指輪の英語はずっと簡単で、流麗で、読みやすいです。とどまることなくさらさらと流れる感じ。そして、とってもとっても作者の愛がこもっています。読んでいると、愛があふれてるのがわかります。特にホビットへの愛(笑)。ガンダルフがホビット達に向ける眼差しの暖かさは、作者のそれなんだろうなあと思わされました。日本語で読んでいた時には、そんなに感じなかったことなんですが。

今更おすすめするまでもないですし、向き不向きはありますが、まだ読んでいらっしゃらない方はやっぱり一度はどうぞ。日本語でのファンの方はいつかは原書をどうぞ。日本語訳も見事なものだと思っていますが、でもやっぱり「愛」が(笑)。
そうそう、私は最初に読んだときからガラドリエル様命です(爆)。今回、結構サムに入れ込んで読んでましたが、でもやっぱりガラドリエル様。何故なのかは謎です。
2006.01.03



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