ファンタジー・国内

恩田陸

色々なジャンルを書いてる方で、どこかにまとめるべきかどうか悩むところですが、今のところはここに。
文庫で出ている分は大体読んでいたんですが、このごろ少し積読中(笑)。

「光の帝国 常野物語」
集英社文庫 2000 (単行書版も集英社から1997)

普通の人々に紛れて静かに暮らす、「常野一族」。彼らはそれぞれ何か一つ不思議な力を持ち、けれどその力をひけらかすことなく普通に生きています。彼らはその力ゆえに時の権力者に目をつけられることも、それによって命を落とすことも多かった過去を持ち、それでも静かに、優しく生きることを選んだ人々です。この本は、彼らと彼らを巡る人々を描いた連作短編集。本全体のタイトルにもなっている短編「光の帝国」の中で語られる「祈り」の言葉には、彼らのすべてがこめられています。

僕たちは、草に頬ずりし、風に髪をまかせ、
くだものをもいで食べ、
星と夜明けを夢見ながらこの世界で暮らそう。
そして、いつかこのまばゆい光の生まれたところに、
みんなで手をつないで帰ろう。

と、これを引用してしまうと、もはや私が語るべきことはないよなー、という感じ。

この本が気に入った方はすかさず、ゼナ・ヘンダースンの「ピープル」シリーズも読みましょう。(「はるかなる旅路」と「血は異ならず」早川文庫SF)一応SFですが、日頃SFを読まない人でも大丈夫。面白いですよ。古い本ですが、数年前に早川がリクエストNO1とかで再版しましたので、入手可能になりました。ファンは多いらしいです(笑)。


「麦の海に沈む果実」
講談社文庫 2004 (単行本は2000年)

見渡す限りの湿原の中に建つ、外界から隔絶された全寮制の学園。3月に学年が始まり、転入生の受入もその月にしか行わないその学園には、3月以外に訪れた転入生は破滅をもたらすという伝説があった。夢見がちで繊細な少女、理瀬は、何も知らずに転入してきた自分が、2月最後の日に学園に受け入れられた異端の存在であることを知って愕然とする。そこは、「三月の国」。他に行き場を持たない生徒達が閉ざされた日々を送る、架空の王国だった。

ちょっと違うような気が(笑)。
文庫待ちをしていたにもかかわらず、出た頃に読む暇がなく積んであったこの作品、やっと読みました。

なんだかとっても少女マンガな設定と物語で、楽しかったです。全寮制の学校ものって、昔から大好き。ただ、今回のこれはちょっと行き過ぎかなー、という気もしましたね。マンガならいいけれど、小説でこれをやられると、何となく違和感があります。ああ、でも、文章だから効果的、という部分もある。複雑です。
いっそライトノベルだと思って読めば、気にならないのかもしれませんね。このあたり、差もよくわかりませんし(笑)。

印象的なシーンが多くて、映像的で、登場人物も美形が多くて個性的。なかなかおいしい作品でした。ああいう学校生活って、やはりどこかであこがれますね。もちろん、殺人者に追いかけられたくはないですが。



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