ファンタジー・海外
Steven Brust
スティーブン・ブルースト |
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今のところ、読んだのは1冊だけです。
ハードボイルドなファンタジー。私は好きですねー。
「勇猛なるジャレグ:暗殺者ヴラド・タルトシュ」
金子司訳 早川文庫 2006
"Jhereg" Steven Brust, 1983
それぞれに魔法生物の名を冠した17家で構成されるドラゲイラ族は、不死にも近い、長命で力に満ちた種族である。彼らの支配するドラゲイラ帝国の帝都アドリランカで、彼らとは違う「東方人」の子として生まれたヴラドは、終生ドラゲイラ族になろうとし続けた父のおかげで、17家の一つ、ジャレグ家の末端に連なるようになり、やがて暗殺者として名をなすようになる。
相棒は少年時代に東方流の呪術により手に入れた使い魔ロイオシュ。片腕は生まれながらのドラゲイラである、常に気配を消すことのできる男クレイガー。妻はやはり手練れ暗殺者だったカウティ。それなりに充実した毎日を送るヴラドの元に、その日訪れた依頼者は、ジャレグ家の有力者デーモンだった。標的はジャレグ評議会の金を持ち逃げしたという男メラー。それは、簡単な仕事かと思われたが……。
私には結構ヒットでした。コミカルなタッチのハードボイルド。でも、世界設定は凝っているし、登場人物達もそれぞれ個性的。そして、主人公達はみんな、プロフェッショナルとしての誇りと余裕にあふれていて、安心して楽しく読めます。重たいところはかけらもなくて、ただただ楽しく読める感じ(笑)。こういう本、私は大好きです。正統派ファンタジーファンにはどうかなって感じもしますけれどね。
続きも翻訳が予定されているようですし、特に原書で読みたいとは思わなかったので、このシリーズは多分、今後も日本語で追いかけます。ちゃんと続いて訳されてくれるといいなあ。
もってまわった会話や腹芸も楽しい、ひねくれた大人のためのファンタジー。そういうのがお好きな方はぜひどうぞ。おすすめです(笑)。
2006.02.02
「策謀のイェンディ」
金子司訳 早川文庫 2006
"Yendi" Steven Brust, 1984
ジャレグのボスとしてまだまだ駆け出しの「おれ」の縄張りに、近所の縄張りのボスが勝手に新しい賭博場を開いた。丁重な話し合いが行われたが、もちろん相手は完全にこちらの縄張りを乗っ取るつもりでいた。直後から早速、「おれ」の店が次々と攻撃され始め、「おれ」の身にも暗殺者が迫る。友人達の手によって辛くも死を逃れた「おれ」だったが……。
ということで、今回はあのキュートな奥様との出会いのお話です(笑)。
ヴラド自身は、この巻ではいかにも「駆け出し」って感じですが、マローランやアリーラ、セスラとはすでにお友達。こちらのなれそめ時代の話が早く読みたいですねー。今回も先の伏線はりまくり、という感じで、まだまだ謎が多いです。でも、相変わらず気楽に読める安定した話の運び方。命の危険は山盛りですが、だーっと面白く読んでしまいました。
しかし、表紙の彼……。
そうかこういうイメージだったのかー。
2006.05.19 |
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