ファンタジー・国内

「七つの黒い夢」

ファンタジーじゃなくてホラーですが、一応ここに(笑)。

「七つの黒い夢」
乙一、恩田陸、北村薫、誉田哲也、西澤保彦、桜坂洋、岩井志麻子著
新潮社文庫 2006

中学3年生の伸照は受験生。将来は宇宙の研究者になりたい。でも、その進路に進むために絶対に必要な数学が、どうにも苦手だった。もうすぐ受験。悩みは深まるばかりだ。そんな伸照のひそかな憧れの人は、近くのコンビニのレジ係「天使」さん。レシートを受け取るときに手がちょっと触れただけでどきどきしたりして、ちゃんと話したことはなかったけれど、でも、憧れていたのだ。そんなある日、土手の道を歩いていた僕は、休憩中の天使さんに会う。そして……。「天使のレシート」

売れっ子ホラー作家(?)の面々が、日常に潜む闇をテーマに描いた短編を集めた1冊です。書き下ろしではなく、雑誌に掲載されたものを集めたものである模様。帯の雰囲気から、もっとダークな内容を想像していたんですが、意外と小粒な、柔らかい雰囲気のお話が多かったですね(←当社比)。あんまり怖くないし、深淵をのぞき込む感じでもない。私が鈍いだけかもしれませんが(笑)。

日常生活の中のホラーって、つまるところは人間の悪意なんですよね。超常能力や超自然現象は、結局は人の心には勝てない気がする。でも、だから、日常生活を扱ったホラーは、別の意味で怖くて痛いことが多いです。何か一つ間違えたら、自分も同じ立場に立たされるかもしれない、同じことをしてしまうかもしれない、そういう、恐怖。解決策が提示されないことも多いから、ますます怖かったりします。

この本、とりたててどれがすごい、とも、どれが怖い、とも思いませんでしたが、読み終わってみると精神的に参っていました。私は、人の悪意にとても弱いです(笑)。
2006.03.08



トップへ
戻る
前へ




SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送